「断章群」おぼえがき



どこの括りにも分類できない落描きやら、
思い付き程度のおはなしの部品など、
行き場のない欠片を集めてみました。
じつはぼくの製作の大部分はおそらく
ここに含まれるんじゃないかなと思います。

--- 銀座でスケッチ ---
バイトの昼休みに鉛筆でスケッチを始めました。
絵の出来上がるまでの経過を並べてみたら
発見があるかも知れないと思い付き、
描き進めるたびにスキャンしては
アップロードすることにしました。
1日に30分、足掛け2ヶ月に渡る
不器用な製作記録です。時間経過と共に
当初の狙いが保てず混沌として果てました。


--- また銀座でスケッチ ---
今度はもっと構造が明解で、
スケールの大きな景色を描いてみることにしました。
小学校時代の写生大会気分で楽しかったです。
というか、ほんとに小学生の頃の絵にそっくり。

--- 新松戸でスケッチ ---
めったに乗らない路線をたまに利用すると、
駅の構造や景色の細部が目に付いて、
絵も描かずに立ち去るのが惜しくなる時があります。
バイトのない日に時々出掛け、
4度目の加筆で完成しました。楽しかったなあ。

--- 取手でスケッチ ---
何年も見慣れた
マンション屋上からの景色です。
秋の空気が気持ちいいのでちょいと思い立って
スケッチブックを取り出しました。

--- 日蝕横町 ---
H氏にDVDジャケットのための絵を依頼されました。
といっても商用でもなければ自主映像作品でもありません。
単に空っぽのケースにジャケットがなくて寂しいので、
変わりに入れとく絵を描いてよ、という話です。
ちなみに完成品を差し上げたところH氏は、
「絵の具で描いた絵もいいんだけど、
ぼくはペン画が欲しかったんだ」とのコメント。
残念ながら注文主の期待には
応えられなかったようです…。

--- 資材置場のお姫様 ---
近所を散歩していたら、建設用クレーンの部品が
一面に並べてある原っぱがあり、いかにも子供が
「秘密基地」にしたくなるような素敵な場所です。
もしかしてここを一時の隠れ場所とするのではなく、
本当に棲家にしている奴がいたらすごいよなー、
などと考えながら何度かスケッチをしました。
お話がまとまるのを待って何年も経つうちに、
実際の原っぱからはすっかり部品が撤去されてしまい、
ありふれた空き地になってしまいました。
こうなる前にもっと何度もスケッチに
通っとけば良かったなあと後悔。

--- 駅で迷子 ---
迷子になった経験というのは
幼い頃の記憶に印象深く残るものです。
日常世界がいともたやすく異界に変貌するのを
絶望感とともに味わったことが幾度もあります。
大人になったぼくは、絶望的な迷子というのは
経験する機会はめったになくなりましたが、
代わりに迷子性が日常に蔓延し、
毎日異界で生活しているような気が
強まってくるようであります。

--- COMPUTER GAMES ---
テレビゲームが大好きなので
常々コーナーを設けたいと思っておりました。
さりながらぼくは
レビューを書けるほど公平な視点の持ち主じゃなし、
攻略情報を載せられるほどやり込むこともせず、
他にネタもないので、試みにお気に入りの
ゲームキャラクターのイラストでも
描いて並べてみようかと思いました。

--- AIとの対話 ---
AI(人工知能)と会話をしてみたいと長年考えていたが、
2023年、OpenAI社がChatGPTなる
自然言語で人間と対話が可能なAIを一般公開したことで
それが可能な世の中が突然やって来た。
用もないのに試みにあれこれ話しかけ、
愉快で興味深い会話を楽しんでいる。
目新しい技術に触れる面白さは
今だけ味わえるものなのかもしれず
せっかくならこの新鮮な状況が陳腐化する前に
ログを残しておこうと思った。


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